公開講義

企画概要

公開講義は北海道大学に所属する先生をお呼びして講義していただく企画です。今年は史上最多全12学部から先生をお呼びして講義していただきます。北海道大学は国立大学で最多となる12の学部があり、各分野の専門家たちの話を無料で聞ける企画となっております。事前予約不要、途中入退場可能ですのでお時間ある方ぜひお立ち寄りください。各分野のスペシャリストの話を聞ける貴重なチャンスです!!

公開講義
開催場所

文系:文系共同講義棟2階 8番教室
理系:高等教育推進機構2階 N304

文系(共催:文系祭実行委員会)
較べる統計手法
―経済格差・一票の較差・ランキング―
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講師
経済学研究院 現代経済経営部門 経済分析分野 高木真吾先生

統計学の基本的な技術として,富の集中や所得の分布の程度を測るローレンツ曲線の作成があります。直接的な使い道として,世の中における富の偏在(経済格差)の実態を明らかにすることが挙げられますが,多くの分野・問題へ応用可能です.なかでも選挙における「一票の較差」に対する洞察,あるいは近年の消費生活を支える電子商取引や音楽動画配信プラットフォームの運営を改善する方法の背後にもローレンツ曲線の考え方を応用可能です。基本概念の諸問題への広がりを感じていただけると幸いです。

開催日時
6月7日(土)...10:45~12:15

人体と機械の融合に伴う法律問題
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講師
法学研究科 法学政治学専攻 現代法講座 小名木明宏先生

最近の科学技術の発展にひとつに人工器官の発達が挙げられます。人間の身体の一部が機械化され、日常生活を不自由なく過ごすことができるようになったことが決して珍しくない現在、人体と機械の融合に伴う法律問題を新たな視点で見直すことが課題となっています。人間はどこまで機械化できるのか、本講義ではこの問題を考えてみましょう。

開催日時
6月7日(土)...15:15~16:45

アイヌ民族の歴史―先住民研究から多様性を考える―
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講師
文学部 アイヌ・先住民研究センター 加藤博文先生

アイヌ民族は、北海道を中心に暮らしてきた先住民族です。先住民族とはどのような人々なのでしょうか。私たち人類は生物学的にはホモ・サピエンスという一つの種ですが、多様な自然環境に適応し、多様な文化を形成してきました。異なる文化の背景には、異なる歴史や世界観があります。アイヌ民族を含む先住民族の文化的多様性を学ぶことの意義と重要性、さらに私たち自身についても一緒に皆さんと一緒に考えたいと思います。

開催日時
6月8日(日)...11:40~13:10

職場に潜むジェンダーバイアス
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講師
教育学部 教育学科 教育社会科学分野 職業能力形成論 駒川智子先生

働くことは、お金ややりがいを得る大切な活動です。ですが日本は「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業が強く、「男らしさ/女らしさ」というジェンダーと重なり、男性は仕事中心の生活を求められがちで、女性は賃金やキャリアが低く抑えられがちです。どうすれば、誰もが自分らしく働いて暮らせる社会にできるでしょうか。職場でのジェンダーに関する思い込み(ジェンダーバイアス)の視点からお話ししたいと思います。

開催日時
6月8日(日)...15:00~16:30

理系
鳥インフルエンザと私たちの暮らし:正しい知識で正しく対応
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講師
獣医学部 獣医学研究院 微生物学研究室 迫田義博先生

高病原性鳥インフルエンザウイルスの感染がニワトリなどの家禽、渡り鳥やカラスなどの野鳥、アザラシなどから報告され、日本だけでなく世界各国の社会問題になっています。そもそもこの問題の原因はどこにあるのか、どうしてここ数年この問題が大きくなったのか解説します。その上で、我々人間が畜産業を守る視点、野生動物を守る視点、さらにヒトへの感染を防ぐ視点からどのような対策が可能か考えていきます。

開催日時
6月7日(土)...10:00~11:30

脳卒中医療から考える医学の歩みと未来展望
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講師
大学院医学研究院 脳神経外科学科・日本脳卒中学会理事  藤村幹先生

脳卒中は過去には日本人の死亡原因の第一位でしたが、テクノロジーの進化に伴う診断・治療法の発展、多くの臨床試験に基づくエビデンスの蓄積により脳卒中を取り巻く医療は飛躍的な発展を遂げています。一方、後遺症を持つ患者さんに対しての再生医療による機能回復など、未来の医療への挑戦が展開されています。脳卒中医療を出発点に、最近の医学の発展と未来展望について紹介します。

開催日時
6月7日(土)...11:40~13:10

AI、サッカー、そして社会
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講師
大学院情報科学研究院 情報理工学部門 複合情報工学分野 知能ソフトウェア研究室 野田五十樹先生

Chat-GPT の登場で急に身近になったように見えるAI。しかし人間の知能はまだまだわからないことだらけ。例えばサッカーのチームワークはわからないことだらけ。一方、思わぬところで社会の改善につながる技術でもあるAI。複数のAIを使って社会現象を再現するエージェントシミュレーションという手法でいろんな社会問題を改善する技術を紹介します。

開催日時
6月7日(土)...13:20~14:50

卵の値段、どうして違うの?~ニワトリの「幸せ」を農業経済学から考える~
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講師
農学部 農業経済学分野 食料農業市場学研究室 清水池義治先生

アニマルウェルフェア(動物福祉)は次第に知られるようになってきた概念ですが、しばしば誤解されることも多いです。科学的知見に基づいてアニマルウェルフェアを説明するとともに、アニマルウェルフェアに配慮した飼養方法が卵の生産コストをどのように変化させるかを解説することを通じて、アニマルウェルフェアのコストを社会でどう負担すべきかを考えます。

開催日時
6月7日(日)...15:00~16:30

親知らずのホントの話~抜く?抜かない?放っておくリスクとは~
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講師
大学院歯学研究科 口腔診断内科学教室 宮本郁也先生

親知らずは永久歯の中で最も遅く生えてくる歯で、顎が小さい現代人では横向きに生えることが多く、歯ぐきの腫れや痛みなどの炎症を引き起こすことがあります。さらに放置すると、まれに重篤な症状に発展することもあります。本講演では、親知らずによる様々なトラブルとその原因、安全な抜歯のタイミング、抜かずに経過観察する際の注意点などについて、最新の知見をもとにわかりやすくお話しします。

開催日時
6月8日(日)...10:00~11:30

札幌でも地震が起こる!?地震火山研究の最前線
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講師
理学部 地球惑星科学科 地震火山研究センター 高橋浩晃先生

札幌でも震度7の地震が起こることを知っていますか?
皆さんの住んでいる札幌の地下には活断層が眠っています。北大構内には、過去の強い揺れで出来た液状化の跡が見つかっています。地震はごく稀にしか起こりませんが、発生すると大きな被害をもたらします。
北海道で予測されている地震や津波とその防災対策についてお話します。

開催日時
6月8日(日)...11:40~13:10

光の力でがんを克服
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講師
薬学部薬学研究院 生体分析化学研究室 小川美香子先生

光を使ってがんを治す治療法として、2020年に光免疫治療法が承認されました。この治療法では、がん細胞に結合する抗体にIR700という青色の色素を結合させた薬剤を点滴で投与し、がんに薬剤が十分集まったところで光を照射します。光が当たる前の薬剤は毒性が無く、がん細胞に結合した薬剤に光が当たってはじめて毒性を示すので、がん細胞を選択的に殺すことができます。
本講演では、本治療法の発見の経緯や治療メカニズムなどについてお話しします。

開催日時
6月8日(日)...13:20~14:50

魚:泳ぎのダイナミクス-水のなかで移動するということ-
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講師
水産学部 海洋生物資源科学部門 海洋資源科学科 水産工学講座 髙木力先生

水産学は裾野の広い学問です。
水産学ときくと,「骨のない魚をつくる研究をする」とか,「漁業者になる教育をする」といった先入観を持たれることがあるようですが,実際は,生物・化学・物理学といった自然科学を総動員する学際的な学問です。
ここ北大は,水産学教育の発祥の地とも言われています。そのような場から,今回は「魚の泳ぎ」についてお話しします。
魚たちはどうやって効率的に水の中を泳いでいるのか?
そのメカニズムを読み解くことは,彼らの生存や移動戦略を理解する鍵になります。この講義では,その「泳ぎ」を,物理学の視点からひもといていこうと思います。

開催日時
6月8日(日)...15:00~16:30